エイプリル・フールズ

4月1日、エイプリルフール。
年に一度だけ嘘をついても許される日。
皆さん、嘘、ついてますか?

僕こと蓮國もりはというと、全く嘘なんてついていない。
というのも、何かしら冗談を言い合ってキャッキャ喜ぶような相手もいねぇし、そもそも嘘なんて常日頃つくし。

だから僕自身はエイプリルフールが特段貴重なイベントだと感じているわけではないのだけれども、どうも世間はこの木っ端記念日にワアワア騒いでいるみたいで。

僕のあずかり知らぬ場所で勝手にみんなが盛り上がってるのもなんとなく癪なので、ここぞとばかりに水を差していこうという所存。 そういうわけなので「エイプリルフールによく見かけるヤツ」を類型化することにしました。
よろしくお願いします、それではどうぞ。


1.恋愛脳 タイプ

季節の各イベントにおいて「如何にして恋人を作るか」しか考えてないタイプです。
SNSを見れば即座に1人は現れるタイプ、学生に多く見られます。
SNSを生活圏としている人の多くは総じて学生だからです。 夏が来れば七夕にて「織姫と彦星の関係って憧れるな、そもそも私にはそんな相手もいないけど笑」って言うし、冬が訪れればクリスマス前から「今年はくりぼっち確定、寂しい〜」などと宣う。
エイプリルフールのことなんて体良く只今恋人募集中です〜ってアピールできる日、としか思ってないよこんなヤツらは。
エイプリルフールに「彼女ができました」って発言することで「あ、この人今はフリーなんだ」という逆説的な異性の興味を引こうとする手立てとしか考えてない。
自分から気になるあの娘にアプローチする勇気はないから。
とんだチキン野郎、言っておくが受動的手段で希望を叶えようとするヤツに幸福なんて訪れやしねえぞ、おとといきやがれ。

これは根も葉もないただのジンクスに過ぎないのですが、エイプリルフールについた嘘は今後1年真実にならないそうです、テメェは少なくとも今後一年フリーのまんまだ、ざまぁみやがれ。

2.引退 タイプ

このタイプはいわゆる"絵師"や"歌い手"、また"カメラマン"や"youtuer"などなど、「表現活動」をしている人々に多く見られます。
「本日限りで○○界隈から身を引きます」とか言い出すヤツらな。

単に囲いからの「辞めないで」を引き出すためだけのツイートなのですが、狭い世界を生き抜く彼らにとってはこの「辞めないで」をどれだけ引き出すかが生き甲斐に取って変わるのです。

「アンチの心無い言葉がつらくて」だの「今年から社会人になり時間がとれなくなるので」だのそれらしい枕詞を置いては引退をシリアスに仄めかし、「今日エイプリルフールじゃん!びっくりしちゃった」とか「嘘でもそんなこと言わないで(泣)」とかのリプライを見て承認欲求を満たすのが彼らの常套手段。
リプ数+いいね+RT数を数値化してマウントを取るためだけに生まれてきたバケモノ。

あなたの寂寞を埋めるのは本当に数字だろうか?
愛と呼ばれる物の本質について今一度再考していただきたい。

どうせ乗っかるならエイプリルフールをテーマに一つ作品でも作れば?

3.皮肉 タイプ

あなたの周りに、急に手のひらを返したヤツ、いませんか?
そう、そいつです。そいつのことよく見て頂きたい。

彼らは頭が悪い割にプライドが高い。

故に皮肉が好物なのですが、皮肉というものは識者にしか生み出せないもの。
とりわけ、人々を唸らせるような風刺なんて彼らから一番遠い存在なのです。
そんな彼らにとってエイプリルフールといえば、対象を褒めちぎるだけで皮肉が成立するボーナスステージ、ここぞとばかりに物事を賞賛しだすのです。
好きと嫌いは表裏一体、アンチが一番のファン、結果として季節のイベント毎に彼らの脳内に嫌いなアレソレのことがいの一番に浮かび上がるという事実そのものが僕には皮肉に思えるのですが。

思想が強いのは良くも悪くも視野が狭くなりがち、たまには本当に好きなもののことだけを考える休日を過ごしてみては?

ふぅん、よく見てんじゃん。

4.告白 タイプ

僕、実は○○したことがあるんです。
私、実は○○なんです。
「今まで隠してきたけど」という文脈で唐突な告白が始まるタイプ。
基本的に実害はありません、何故なら誰も興味がないから。
4月1日になった途端皆が一様に嘘の告白しだすので、集団催眠?と思ってしまうこともありますが、彼らは狭いコミュニティの中で「えー、うそだーw」と言い合いたいだけなので優しく見守ってあげてください。
その内容は実に様々で、「今までO型だと言ってたのですが、本当はA型です。」のような軽いものから、「ガンが見つかり医者に余命三日だと宣告されました。」みたいな重てえものまで手広くカバーされています。
その割に感想としてはあ、そ。で全て済んでしまうのですが。
それが本当だった所でどうすりゃいいのさ、白けちまうぜ。

もしも唐突に世間に隠し事を告白したくなったときは、4月2日以降を強くオススメします。 というかそんな衝動に突き動かされることなくない?
青春じゃねえんだぞ。

まあ、当人が楽しいんならいいんじゃない?


「ふう、こんなもんかな。まったくエイプリルフールだのなんだのと浮かれやがって、くだらねえことこの上ないわ。」

「…りよ。」

「ん?何だ?」

「蓮國もりよ、お主に言わなければならない事がある。」

「ワシはエイプリルフールを司る神。よく"嘘を付いていいのは午前中だけで、午後にはネタバラシをしなければならない"という風説を聞くとおもうが、あれは真実なのだ。」

「え、手が透けて…」

「だからネタバラシをさせてもらう。蓮國もり、お主という存在はな…」

「なんだよこれ!!!なんなんだよ!!!おい!!!嘘だと言ってくれよ!!!!俺まだ消えたくな…い………

「嘘なのじゃよ。」

ふぁさ…

5.存在そのものが嘘 タイプ

さよなら。